この道の先に…
幸輝に出会った頃の自分。
           
幸輝が好きになってくれた頃の自分。
           
その姿で会いに行こう、と。         

今日が勝負の日だと思っていた。       
今日で本当に全てが決まる。
           
梨紗は、幸輝の家に向かった。
           
もうここに来ることはないと思っていた。
           
幸輝の家のドアの前に立ち、着ていたコートを脱いで呼び鈴を鳴らす。 
           
「あれ…?」
           
出てきたのは健司で、きのう会った時とは違う雰囲気になった梨紗を見て一瞬ためらった。   
           
学校は休みなのに制服を着ていることも不思議に思ったようだったけれど、健司はすぐに全てを察した。        
           
リビングに通されてソファーに座る。

「呼んでくるから」

健司が幸輝を呼びに行った。
           
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