この道の先に…
普段、体育の授業で使っている場所に向かうことが、どうしてこんなにドキドキするのか不思議でしょうがない。    
           
3人は並んで入口に立つ。
梨紗は真っ先に目的の人を見つけた。     
           
きのうは見ることができなかった笑顔がそこにはあった。       
           
「はい!梨紗は自分の世界に入ってしまったので、私が教えまーす」  
           
隣で絵里が晴美にそう言っていた。      
           
「自分の世界って…。そんなことないし!晴美。ほら、あの奥で練習してる人の……今シュートしたほう!」      
           
梨紗は、興奮混じりに晴美に説明した。    
           
「あの人ね〜。カッコイイじゃん!でも、梨紗のタイプの感じじゃないよね?」        
「私もそれ思った!」 
           
晴美と絵里の言葉は正しかった。       
今まで梨紗が気になってきた人はみんな、目がクリッとしたかわいいという感じの男の子達であった。
そして、一緒になって騒いで、はしゃいでというようなノリの人達だった。
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