この道の先に…
体育館に顔を出した時、梨紗は必ず声をかけていた。         
教室移動の時、廊下で先輩のほうから話しかけてくれることもあった。 
           
「梨紗ちゃん」と呼んでくれることも嬉しかった。
           
周りからすれば、仲がいいように見えるのかもしれない。       
           
いい感じなんじゃないのかと、思われても不思議ではないのかもしれない。
出会った頃と比べたら、確実に進歩している。 
           
ただ梨紗には、考えていることがあった。   
           
「絵里は!?何かないの〜?」        
           
強引に話題を変えた。 
           
           
体育館では、バスケ部の練習が終わり、1年生が片付けをしていた。  
           
「幸輝!タオル忘れてるよ」         
そう話しかけたのは悠。
           
バスケ部で一番、幸輝と仲がいい。      
           
2人は並んで部室に向かって歩き出した。   
           
< 31 / 200 >

この作品をシェア

pagetop