この道の先に…
「もう決めたの」   
           
同じリアクションをした2人を見て、笑いながら梨紗が言った。    
           
梨紗は、ここ何日間か考えていることがあった。
           
――これからどうすればいいのか?―――   
           
先輩と仲良くなったと言っても、前より話すようになっただけ。    
           
それも、部活の始まる前とか、廊下で会った時とか…限られたごく短い時間だけ。       
           
休み時間のたびに先輩のクラスに話しに行く…なんてことは、さすがにできない。       
           
同じクラスだったとしたら、少し違ったかもしれない。        
           
もっと話したい。   
           
もっと先輩のことを知りたい。        
           
もっと距離を縮めたい。
           
想いは強くなっていくのに、学年が違って接点が少ない為、これ以上どうすればいいのか……  
           
その方法に、限界を感じていた。
< 34 / 200 >

この作品をシェア

pagetop