この道の先に…
言った!!      
言っちゃった!!!  
           
凛とした見た目とはうらはらに、心の中では叫んでいた。       
           
もしかしたら…というわずかな期待を、先輩の一言が裏切った。    
           
「ごめん………」   
           
  ごめん!!?   
           
「誰か…好きな人がいるんですか…?」    
           
「いや。そういうわけじゃないけど……」   
           
梨紗は、ハッキリとした理由が聞きたかった。 
           
「あの…ズバッと言ってくれて大丈夫です!」 
           
その言葉を聞いて、先輩は話し始めた。    
           
「最近話すようになったばっかりで、梨紗ちゃんのことよく知らないし…。出会って間もないのに俺のどこが好きなの?俺の何を知ってるの?とも思う……」      
           
梨紗は、何も答えられなかった。       
           
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