この道の先に…
廊下で見かけることもなかった。       
           
避けられてるのか……?
           
そう思うと、なんだか寂しいような気持ちになる。
休み時間、教室で幸輝は親友の真宏と2人で話しをしていた。     
           
その時だった。    
           
「梨紗ぁー!!!」  
           
寄り掛かっていた窓の外から梨紗を呼ぶ声がした。          
幸輝はすぐに校庭を見下ろした。       
           
校庭では、1年の1組と2組が次の体育の授業の準備をしている。   
           
体育委員の愛子が、50M走をするためのラインを引いていた。    
           
「愛子、これヤバイってぇ!曲がり過ぎだから!!」         
           
笑いながら梨紗が愛子の所に行った。     
           
久しぶりに見た梨紗の笑顔 ―――      
           
幸輝はホッとしたような気持ちになった。
その表情は、柔らかなものだった。
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