この道の先に…
数日後―――

放課後の1組の教室に、梨紗・晴美・絵里・良平の4人は集まっていた。

今日はバスケ部が6時には終わるらしいから、久しぶりに拓也も一緒に、ご飯でも行こうということになっていた。   

先に4人で、どこかでブラブラしててもよかったのだが、このメンバーなら教室で話してるだけで、時間が過ぎるのなんてあっという間だった。 

拓也が部活やってるとこを見に行こうとは、誰も言わなかった。

梨紗があの日以来、体育館には行っていないことを3人とも知っていた。

「そろそろ下行くぅ?」

教室の時計を見上げながら晴美が言った。

その時、梨紗のケータイの着信音が鳴った。  
           
「え?今から?明日じゃダメなの?…わかったぁ。うん。あとでねぇ」 
           
電話を切った梨紗に、絵里がどうしたのか聞いた。          
「なんかイトコが、どうしても今日借りたいCDがあるって…今からうちに来るってさ。1回帰って、あとで合流するぅ。そんなすぐに帰らないよね?…じゃあゴメン!先に行くわぁ」

梨紗は、そう言って1人で教室を出た。

上履きから靴に履きかえている頃、職員室に1本の電話が入っていた。

その電話の内容を知らないまま、梨紗は1人で校門に向かって歩いていた。
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