君とともにこの傷を



それから声が出るようになった私は毎日、毎日必死に言葉の発音の練習をした。

普通の人ともちゃんと会話が成り立つようになって、生まれて初めて自分から声を発することができてうれしかった。

その嬉しさを抱えて私は普通の人が通う音楽で有名な私立の中学校に入学した。

私のお父さんは音楽界では有名なヴァイオリニスト。

その影響もあってか、この中学校を私は選んだ。

私自身、ヴァイオリンは3歳の頃から習っていたから大好きなヴァイオリンを弾きながら学校生活を送れることがとても楽しみだった。

入ってからすぐに友達ができて、毎日が本当に輝いているようにみえた。






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