ただ君だけを。
「そっかぁ…。もったいない。」

「まぁ、一応は考えてみるけどね。」

「あ、あのね。由佳今まで黙ってたんだけど…。」

「うんうん?」

「由佳、好きな人いるの。」

頬を赤らめて口元を隠すように

手で覆う由佳。

ほんと、可愛いなぁ。

「そおなんだ。」

「へへ。これね、誰にも

言ったことないの。」

「誰なのー?」

「えっとね…。柴崎くんなんだけどね。」






ドクッ――――






「愛美ちゃん、どぉかした…??」

また、だ…。

昨日から、少し変。

この胸の音はなんなのかな…。

「あ、ううん。何にも無いよ。」

「あのね、柴崎くんほんとに

すごくかっこいいの。」

「そ、そおかな?」

「愛美ちゃんはいいなぁ。

柴崎くんと幼馴染みだし、

お家もお隣同士だもんなぁ…。」


由佳は、ほんとに

優のことが好きなんだな。

昼休みの間、由佳はずっと優の

話をしていた、気がする。

でも、私の耳には

何一つとして入ってこなかった。
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