ただ君だけを。
「おはよぉ。愛美ちゃん♪」

朝一番の教室で、

いつもよりも、誰が見てもわかるくらい

テンションが高い由佳。

「おはよー。テンション高いね。」

「えへへ。」

「由佳ね、ほんとに今幸せなの。」

両手でほっぺをおさえて、

顔をクシャクシャにして照れる由佳。

可愛い。可愛いけど、

今はその由佳の可愛さが、

私のイライラに繋がってるんだ。

「そぉだね。」

適当に、短く返事をして私は、

窓から外を眺める。

「もぉね、由佳、

優くんのことほんとに大好き。」



―――― いつの間に、『柴崎くん』から

『優くん』に変わったんだろ。
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