ハイドアンドシーク・ラブ
「さ、自己紹介をしなさい」



柔らかく言う監督に続いて、右から順に話し出す男子。


女子4人も個性的。






「…………藤堂 暁です」




ずっとそっぽを向いていた男の子は、そう告げた。


藤堂暁(とうどうあきら)。




感じの悪い子。



寝癖のように跳ねている黒髪。
目は、綺麗な茶色をしている。



──私もよく、カラコンと間違われるな。



母譲りの茶色い目で、いつも人一倍まぶしかったっけ。





なんて思い出に浸っていると、ふと、目が合う。






彼は綺麗な茶色い目をすうっと見開いた。


まるで、私に驚いているように。
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