Winter Sinter
08.Day
ー朝ー
「パパ!私行くね!戸締りしてね、行ってきます!」
「おーいってらっしゃい!」
いつもより学校へ行く足取りが軽い
ゆきちゃんと吹雪くんに会えるからだ
「おはよう!」
「吹雪くん!お、おはよう!あれ、ゆきちゃんは…」
「あーあいつ寝坊。置いてきた」
「ふふ…そうなんだ…」
「高倉も体調良くなったみたいで良かったよ。あ、あのさ…昨日Mariaの曲改めてちゃんと聴きなおしたんだよ」
"マリア"に反応する
自分の名前を呼ばれているみたいで
吹雪くんの声は、低くもなく高くもなく、丁度いい高さで、他の男友達に話しかけるより優しく話しかけてくれるから
一瞬ドキッとしてしまう
「歌詞カード見ながら聴いてさ…改めてすげぇなって思ったよ。俺もMariaは好きでずっと聴いてたし、雪と同じように歌詞も好きだったんだけど、やっぱこう、友達が書いてるって思って聴くと…深みが増すって言うか…」
「友達…」
「あ!ごめん勝手に友達認定しちゃった!」
「ち、違うの!嬉しいなって…」
「そか。それなら良かった。まぁ、あんまり学校とか人のいるところでMariaの話するのも危ないだろうから、また3人で話すとき雪にも話せる範囲で聞かせてやってよ。あいつ学校でMariaの話出来る奴あんまりいないからさ」
「うん、私も、2人といろんな話したい…」
「それなら今日から昼休み一緒に飯食うか?俺らいつも適当なメンバーで飯食ってるし、高倉も昼休み1人でいること多い感じだから…どうかな?」
「い、いいの?」
「友達だろ?」
「…うん!!」
"友達"
Mariaの事がバレるのが怖くて、なるべく友達を作らないように学校生活を送ってきたけど…
学校という場所が、こんなにも楽しく思えたのは久しぶりだった