HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~
ピンポーン
『……』
『…………』
出ない…?
留守?いや風邪だしな…
まさか!
あたしの頭の中で,ある文字が浮かんだ
『風邪をこじらせ自宅で死亡!』
ひぇぇぇぇ!
『せッ先生!!生きて~!死なないで!』
あたしが夢中でドアを叩くとガチャリと静かにドアが開いた
『…うるさい…』
『しぇ…しぇんしぇい…』
赤い顔した虚ろ目の先生と,青い顔した涙目のあたしが向かい合った
『い…生きてた…』
『あほか。勝手に殺すな…』
すみません…
あたしが肩を落としてうなだれていると先生が口を開いた
『なにしに来た?』
『え…あの…心配で…これ風邪薬…』
あたしは持っていた薬の箱を差し出した
すると先生は,はぁ…とため息をついた
『帰りなさい。』