HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~




お粥を作りながらも,あたしの頭の中はさっきの幸せそうな写真が大半を占めていた




あの夜,先生のあんな悲しそうで辛そうな顔初め見た


そしてあの写真での笑顔も…




あたしの知らない先生







たしかにあたしが先生の何を知ってる?と聞かれたら答えられるわけない




だってまだ数カ月だよ?





でもね






わかるんだ










何ヶ月,何年も先生を見ていたってあんな顔あたしに向けてはくれないことを






あの顔は彼女さんにしか向けないことを…ね








時間じゃないんだ









彼女さんがどれだけ先生に愛されていたかすぐにわかってしまう





胸が苦しくなった







なんであたしじゃないんだろう…?






先生の1番になりたかった



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