HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~
『そんなことは,どうでもえぇ…俺はお前に説教するからな』
先生は目をつむりながら言った
『説教…?』
『そうや。お前は軽々しく男の家に上がるんやない。危ないやろが』
危ないって…先生この状況は大丈夫なんでしょうか…?
あたしたちはベッドの上で並んで寝転んでいる状態
先生が近い…先生の腕はあたしの肩にかかっている
『だって…先生だし…』
『俺やって男やで…ケホッ…とにかく危ないから以後気をつけろ。』
『はい…』
なんか…絶対意識ヤバイよね?いつもの先生じゃない…
『紗雪…』
『ふぁい?!』
ため息まじりの先生の声がやけに色っぽくて,あたしはつい驚いてしまった
『あの夜…覚えとるか?』
先生が弱さを見せたあの夜
『あれは…忘れろ』
先生はただ一言を言うとあたしから手を離した
『ほらッもう一人で大丈夫だから…帰れ』
なんだか先生に壁を作られた気がした
少し近付いた先生とあたしの距離が
また…元の距離に戻ってしまった
あたしは,ただただ辛くて無言で先生の家を出た