HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~
『これ…』
右手の先にある先生の頬には光る粒の跡
泣いてる…?
そう思った時だった
『…き…』
先生の口から言葉が再び流れる涙とともに零れた
え…?今…なんて?
『…ゆ…き…ごめ…ん…な。ゆき…』
ゆき…?
きっと死んだ彼女の名前だとあたしは一瞬にして理解した
先生は熱でうなされて夢を見ているのだろう
いつのまにかあたしの頬に一筋の涙が流れていた
先生…
あたしじゃダメですか…?
あたしじゃ「ゆきさん」の代わりにはなれませんか?
ねぇ先生
答えてよ