HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~

巾着袋





『いらっしゃ…わッどうしたの?!紗雪!』



ドアを開けた純ちゃんの胸の中に飛び込んだ




『純ちゃん…ヒック…あたし…先生の目の端にも写ってなかったよ…馬鹿みたい…ヒック』


『紗雪…』






泣きじゃくるあたしを純ちゃんは優しく抱きしめてくれた





純ちゃんはとてもイイ香りがして,それがあたしを少し落ち着かせてくれる





『中,入りな。話…聞くから』

『うん…おじゃまします…』





純ちゃんは一人暮らしをしている。理由はなんとなく聞けなくて知らないけど…両親はいないらしい



だからいつも純ちゃんの家はあたしの駆け込み寺になっているのだ





『はい。ココア』



コトリと静かに置かれた甘い香りのココアはあたしの好きなモノ




『ありがと…おいし…』



そう言うと,あたしは静かに語り出した


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