HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~
目の前で涙を流していても何も言ってくれない先生
その時だった
ガサッ
『違うよ!高先!』
『前田?』
『紗雪は…俺と水飲み場で話をしてて…そしたら偶然声が聞こえたから気になって見ただけだよ!わざと覗いたわけじゃねぇことくらい高先もわかってんだろ?!』
耕太…
耕太の言葉で先生はあたしの方を見た
『ついカッとなっちまった…すまない』
そう言うと先生はあたしに背を向けて歩いて行ってしまった
『高先らしくねぇな…どうしたんだろ?』
耕太の言葉にうんと頷きながら遠ざかっていく先生の背中を見つめた。
先生の背中はなんだか寂しそうでならなかった