HATSUKOI~先生が教えてくれたこと~



あたしは先生の隣に腰を下ろした




大丈夫かな?何も言われませんように!






あたしの願いが通じたのか先生はそのことについては何も言わなかった





『桜…もう全部散っちゃうな』


先生は上を見上げながら寂しそうに呟いた




『そうですね…。あたし桜がいっぱい咲く春が1番好きなんです』





桜の花びらが風にのってピンクの風になってるのが大好き


世界がピンク一色になってるって感じる




なんだかすごく癒されるんだ






すると先生はゆっくり立ち上がった




『名前は紗雪で冬っぽいのに春が好きなんだな!桜の雪で桜雪にすればよかったのになぁ~♪なんか読みにくいか』




そう言うと先生は『チャイム鳴るぞ』と言ってあたしの頭に何か乗せて行ってしまった






頭に手をやると,そこにあったのは一粒の飴玉だった



チョコ味の飴玉





あたしは先生の後ろ姿を見つめながら飴玉をポケットに入れて歩き出した


< 9 / 105 >

この作品をシェア

pagetop