零姫
特になにも持ってきていないため、鞄をとりに帰る必要はなかったので、誰とも会うことなく校門を出ることが出来た。
………。
それにしても、この沈黙は少し辛い;
「…零亜。少し、寄り道しても…いいか…?」
なんのために…とは、あえて言わなかった。先輩の顔が、少し寂しそうで、それなのに何処か安心しているような…そんな感じがしたから。
「はい。いいですよ。」
私の施設を通りすぎ、電車で隣の町へ…。それから、少し歩いたところに、それはあった。
「…きれい…ですね」