零姫
なんとか、門限までには間に合った。

「お帰りなさい。零亜ちゃん。」

「零亜ちゃんおかえり~」

「ただいま。先生方。幸子ちゃん。」

“家”とは、養護施設のことだ。私を含めた生徒5人と先生6人という小さめの施設だ。

「今日はお友達は出来た?」

「出来ませんよ。こんな私とつるみたがる人なんて居ませんよ。…ご馳走様でした。」

「お粗末様でした。宿題を済ませて幸子ちゃん達の宿題も見てあげて?来週からテストだって言ってたから。」

「分かりましたよ。中学生って大変ですね。」

「そういう零亜ちゃんも、数ヶ月前までは中学生だったでしょ?」

そりゃそうだけど…………

「じゃあ宿題してきます。」

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それから、幸子ちゃんと、歩くん、未来ちゃん、勇気くんに、勉強を教えてあげて、その日は終わった。
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