女王様の恋
アタシの名前は鳳條美桜
朝日が窓から部屋に差し込んで、眩しいほどに明るい室内。
「ん…」
眩しい光を遮るために、左手を無意識のうちに瞼の上に乗せる。
「…うさま、お嬢様、早く起きませんと学校に遅れてしまいますよ。」
肩を揺すられ、仕方なく重たい瞼を開ける。
「おはようございます。美桜お嬢様。」
朝から爽やかな笑顔で挨拶をするのは、佐藤彩、アタシお付きのお手伝い。まだ年は20前半のはず…多分。
「おはよう。」
アタシが目覚めると部屋にいたお手伝いさんが『おはようございます』と深々お辞儀をする。