女王様の恋
そんな優はシカト。
だって、アタシがどんな関係を持とうと優には関係ない。別にいいでしょ?優の友達とエッチしたって。
優と桐真の関係が壊れるわけでもないんだし。それに、どうせ一度限りなんだし…まぁ、どうにかしたら続くかもしれないけど。
「あっ、美桜!!アタシもう決めたんだけど美桜は…こんにちわ。優サン!!」
一つの紗羅らしい、黄色の水着を持ってアタシのそばまでやって来た紗羅が優に気付き挨拶をする。
「紗羅チャンこんにちわ。いつもうちの妹と仲良くしてくれてありがとうね!!お礼にその水着買ってあげるよ。」
は?
お礼に?
アンタは人にお礼をするようなヤツじゃないでしょ!!いくら紗羅が可愛いからって、猫かぶりやがって…。
それに、そんなことしたら彼氏の竜也が黙っていないはず。
「え?!そんな悪いですよっ!!」
案の定、慌てる紗羅。
そしてムキになる竜也。
「大丈夫ですよ!!俺が買いますから!!紗羅は俺の彼女ですし、心配はいりませんよ。」
ずいっ、と前に出る同じ高校の2年生に、それを楽しむ性悪な3年生。
「なんだ?紗羅チャン彼氏いたんだ?まあ、紗羅チャンは可愛いし当たり前だけど…彼氏も俺くらい格好いいヤツだと思ったけど、たいしたことないね。」
竜也を見て、クスッと笑った優に竜也がキレたかと思ったけど…
違った。
「っいい加減にっ…」
「優サン、確かに優サンは格好いいと思います。でも竜也はそれ以上に格好いいし優しいです!!たとえ、美桜のお兄さんだろうと、竜也のことを悪く言ったらゆるしませんよ?」
紗羅の静かな怒り。
竜也のこと本気だもんね。