女王様の恋




天蓋ベッドから抜け出し、お手伝いさんがアイロンをかけてくれた皺ひとつないブルーのシャツに手を入れる。




半袖シャツから細く伸びた腕、三回曲げたチェックの短いスカートから覗く誰もが羨む美脚。




ドレッサーの前に座り軽く化粧をする。



ぷっくり整った唇に大きい瞳スッと通った鼻、そして極めつけにニキビひとつない透き通るような白い肌。



柔らかい、落ち着いた茶色の髪をアップにする。





鏡に映るのは、女優望田亜季に瓜二つの顔。




椅子から立ち上がり腕時計で時間を確かめる。確かに彩さんが言ったとおり、いつもより10分遅れている。



いそいでご飯を食べないと学校に遅刻をしてしまうかもしれない。
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