女王様の恋



そうよ、アタシは姫なんか大嫌い!!だって、姫ってなんだかスッゴく男に媚びてるんだもん!!



上目遣いと香水の甘ったるい臭い、完璧に作ったふんわりとしたピンク色のオーラで近寄られたら、そこまで可愛くなかったって純情な男の子はドキッてするわよ!!



だけど、媚びなくても、甘ったるい香水付けなくても、上目遣いしなくても、ふんわりピンク色のオーラとは程遠い黒いオーラ出してても!!




アタシみたいな美人には、どんな仕打ちを受けようとも純情な男の子も、純情じゃない男の子も自然と寄ってくるのよ!!



だからアタシは女王様。



姫の敵。



あっちはライバルって思っているかもしれないけど…女王様のアタシには姫なんて単なる小娘程度にしか思っていないのよっ!!



「姫なんて思ってるんならアタシ帰る。」



踵を返したアタシを止める桐真。



「ゴメン、ゴメン。冗談だよ美桜チャン、美桜チャンをラブホなんかに連れ込むわけないだろ。」



「美桜チャンは、女王様であってお嬢様なんだから。」


また、ニコッと笑顔を向ける桐真。



でも桐真、その笑顔がどんなに格好良くたってアタシは落ちないんだから。



そんな桐真に連れて行かれたのは─────
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