女王様の恋



「ちょっと、とう…」



声をかけたアタシを遮って、またもや爽やかな笑顔を見せる。



「空いてるってさ。じゃあ行こうか?美桜チャン。」



そう言って、自然にアタシの腰に手を回す桐真。



やっぱり、女馴れしてる感じ…。



今まで、身近にこんな男居なかった。



アタシをからかったり、アタシが言おうとしているとこ遮ったり、アタシと居るのに自分のペースを保っているヤツなんて。



なんだかドキドキする。



…ムカつく。



桐真なんかにドキドキさせられて。



考え事をしていたアタシの前に、いきなりの桐真のドアップ。



いくらアタシでもビックリしてしまう。



「な、なによ?!」



少し赤くなった頬を膨らます。



ニッて余裕の笑みを浮かべる桐真、やっぱりムカつく。



なんでアタシが桐真なんかにペース乱されなきゃいけないのよ!!



「なんか静かだったからどうしたかな?って思って。美桜チャン、頬っぺた赤いよ、俺に惚れちゃった?」
< 25 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop