女王様の恋
──ドキンッ
ちょっ、ドキンッてなによドキンッて心臓!!何桐真相手に跳ねてんのよ!!
「そんなわけないでしょっ!!アタシは誰かを好きになるとかありえないし!!それにアタシはこの世の男より自分が好きよ!!」
「ぷっ、それじゃナルシストじゃん(笑)」
ムキになるアタシに対して、クスクスと余裕の笑みを浮かべるのは桐真がアタシよりも歳上だから?
それとも、アタシが桐真に対して余裕を失っているの?
「ナルシストでいいわよ。」
そんなやりとりをしていたら着いた最上階。
エレベーターがチンと音を立てて開く。
ここに来たのは二度目だけれど、やっぱりいい眺めだ。
窓に手をついて景色を眺めるアタシに得意げな桐真の声。
「どう?感動した?」
「ここに来たの二度目だから。」
冷たく言い放つアタシにやっぱり桐真は爽やかな笑顔を向けて笑うんだ。
「やっぱりそうだよね。鳳條財閥のご令嬢だもんね。」
と、アタシの髪をふんわりと撫でる桐真に何故だか、胸の鼓動が早くなる。