女王様の恋
やっぱりムカつく…。
はぁ
ため息をつくアタシに桐真が声をかける。
「美桜チャン?こっちおいで。」
いつもだったら、
『このアタシに、こっちおいでだぁ?てめぇで来い。』
って、軽く言えるのに桐真には何故だか言えなかった。
とぼとぼと、ソファにカバンを置きベットに腰掛ける桐真のもとへ行く。
いつだったか紗羅が言っていた。
『竜也は今までと違う気がしたの。一緒にいて、楽しかったり悲しかったり。感情の上り下りが竜也の言動1つで決まっていたの。それが恋って気付くまでにかなり時間が掛かっちゃったけどね。』
照れくさそうにそう言って、最後にこうも言っていた。
『いつか絶対、美桜にもそんな人が現れるよ!!』
なんで、今そんなことを思い出すんだろう?
紗羅が言っていた相手が桐真だから?
これが“恋”ってことだから?
アタシが桐真が好きだから?