一粒の涙と奇跡
「あ、あぁ。
ごめんな、泣かせちゃって。
俺はもう近づかないから安心しろ。
じゃあな。」
そう言って立ち上がった水海の服の裾を掴む。
水海は驚いたように振り向いた。
「…違うの。
私は、過去を引きずってた。
でも、もう違う。
まだ完全に吹っ切れたわけじゃないけど、
少しずつ、感情を表に出していきたい。
私はもう、自由だから。
だから…
こんな私でいいなら、
友達になって?
もうめんどくさいなんて、言わないから…」