恋と部活の両立法
前を歩く男の子はよく見るとやっぱりすごく可愛い。
ふわふわと肩までの茶色い髪に男子にしては少し小さめの背。
なんか守ってあげたくなる感じ。
歩くたびに揺れる男の子の小柄な肩を見ていると、
「着いたよ。」
ある部屋の前で男の子が振り返った。
男の子の上を見上げると上には校長室と書かれたプレート。
「ここで…あってる…よね?」
私が何も応えないことに不安を感じたのか男の子はパッチリとした大きな瞳を少し不安そうにうるうるさせ私の側まで来ると私の顔を下から覗きこんだ。
突然どアップに映った男の子の顔にびっくりして私は我にかえる。
ヤバい…、
ちょっとぼーっとしていて気付かなかったよ。
『え?あ、あってるよ!あってる!
案内してくれてありがとう!!』
慌てて応えた私を見て男の子は
「良かった〜。」
っと言って安心したような表情を浮かべる。
なにそれ。
『…可愛い。』