恋と部活の両立法



生きる意味を失った。


そんな気がした。


自分が空っぽになった気がした。



今先輩の後を追ったらまだ間に合うんじゃね?


そんなくだらないことを考えていると
突然、


「ばっかじゃないの!!」



っと声がして、




_バンっ!



頬を思い切り叩かれた。








「……。」



「あんたがそんなやつだったなんてあたしがっかりだわ。
あたしが死にそうな時助けてくれたくせに…くせに!
こんな簡単に死のうなんて考えないでよ!」



朱理はそう言うと赤く腫らした目を擦り俺に手を差し出した。




「優のお母さんから聞いたの。
最近のあんたの状態。
あたし昔あんたに助けられたからさ。
今度はあたしが優を助ける番。

だから、ね?
元気出して行こ?湊川先輩言ってたわよ。私は優くんの笑ってる顔が好きだって。」



知らなかった。


先輩がそんなこと言っててくれたなんて…




俺はゆっくりと朱理の手を掴む。



これが俺たちの新たなスタートの瞬間だった。
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