恋と部活の両立法
_パンッ!
何度も何度も聞いてもう聞き飽きたピストルの音とともに私は走り出した。
なんか今日はいつもより調子が良い気がするんだ。
足の回転を速く、リズムよく。
腕を大きく振って、
風を切って___
そして、
「「うぉぉー!」」
観客席から歓声が上がった。
びっくりしてタイムパネルを見ると、
『嘘…!!』
「ただいまの1着3レーンを走りました相沢 凛花さん。
記録は…
大会新記録の達成です!!!」
未だに信じられないと戸惑っている私に隣のレーンだった子が言った。
「相沢さんが1位だよ。おめでとうー!!
ほら、早く行きなよ。」
行くってどこに?
「相沢さんの応援してた男の子たちがスタンド待ってるよ。
だってめっちゃ会いたそうな顔してるもん。」
女の子はそう言ってスタンドの5人の方向を指差すと私の背中をバシッと叩いた。
『ありがとう。行ってくるね!』