恋と部活の両立法
「凛花ちゃん、本当に行っちゃうの?私、嫌だよ…。」
『ごめんね。愛ちゃん。私も嫌だよ。転校なんて…!
でも仕方ないから…。
また、大会、そうだ!県大会!県大会に行けたら違う学校でもまた会える。戦えるよ!
だから、それまでしばらくお互い練習頑張ろう。
私、負けないからねっ!』
「うん!分かった。私も負けないよ。
向こう着いたらまたメールしてね。」
『りょーかい。』
高校2年生になる前の春。
私は学校にも家にもお別れをした。
小さい頃から育ってきたこの街を離れるのは正直悲しい。
愛を説得するのにはすごい時間がかかった。
愛は幼稚園の頃からの幼なじみ。
そんな友達ともさよならなんて。
行きたくないな。
新しい学校でやっていけるのかな。
そんな不安がまだ私の中でぐるぐる渦巻いていた。
「出発よ。」
お母さんの言葉で車に乗り込む。
いよいよさよならだ。
最後に愛の泣き顔を見た。
部活の仲間を見た。
お世話になった近所のおばあちゃんを見た。
みんなお世話になりました。
さよなら。