恋と部活の両立法
よろしくと手を差し出してきた柊さんの手を握り返そうとすると、
「ちょっと、ちょっと!2人とも!」
奏太くんが私たちの間に割り込んできた。
「あれ?奏太。隼人との殴り合いの血祭りは終わったの?」
平然とした顔ですごい怖いことを言う柊さん。
血祭り…ってそんなことしたら即退学だよ!
「そんな怖いことしてないよ〜。
そんなのはどうでも良くてなに2人で仲良くなっちゃってるの?って話だよ。
隼人っちの次は僕が自己紹介する予定だったのに!うー。」
ほっぺを膨らまし腰に手を当てて柊さんを睨みつける奏太くん。
この2人も仲いいんだなぁ。きっと。
「分かった、分かった。ごめんってば。
」
「分ったならよろしい。」
何でそこだけ上から目線??
「邪魔ものがいなくなったところで
僕は蒼井 奏太。隼人っちや柊と同じで3年生だよ。そして副会長してます!
種目は100m。同じ人もう1人いるけど。よろしくね!」
邪魔ものとか100m被ってるとか
愛らしい顔でさり気なく柊さんを侮辱する奏太くん。
この子絶対本性は腹黒い。
『あはは…よろしくね。』
そして何事もなかったように愛想笑いを浮かべる私。
さっきの黒い部分は聞かなかったことで。