恋と部活の両立法
*笑顔のオムライス【瀬戸 隼人】
__××01××
「…ただいま。」
っと言ってもいつも返ってくる声はなかった。
寂しいとも悲しいとも思わなかった。
俺はもうそれが慣れっこになっていたからだ。
代わりに聞こえてくるのは父と母の争い声、食器や瓶が割れる音
俺はといえば2つ下の妹と二階に閉じこもって耳を塞ぐ日々。
父はたまにしか帰ってこないがその度に母にお金をせびり酒を飲み散らかし暴力を振るう父
母はただそんな父に
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
といつもひたすら謝っていた。
どこにでもある平和な家庭。
「ただいま。」って言ったら「おかえり。」って。
「今日のメニューはあなたの好きなハンバーグよ。」って。
「テスト、よく頑張ったね!」って。
そういう当たり前の日常を過ごしたかったのに…
俺たちは一体どこで間違えたんだ?
そんなことを考えても当時中学生だった俺には何も出来ることはなかった。
*サイドストーリー01
【笑顔のオムライス(瀬戸 隼人)】