シャッターの向こう側。
 だけど、ここで構うとまた騒ぎになるだけだろうし、さっさと寝ちゃおう。

 しっかしいつも思うけど、宇津木さんって一言余計なんだよね。


 私も人の事は言えないと思うけど、ここまで人の神経を逆なでするような人も滅多にいないと思う。


 敵ながらアッパレだわ。


 いや、敵と言うわけでもないんだけど。


 ……ん?

 いやいや、敵だったじゃない。

 すぐに口挟んでくるし、手も足も出てくるし。

 ムカつく事は言うし……


 たまに良いことは言うから、それは評価しなきゃだけど。

 ……思えば宇津木さんって、最初から私を神崎 雪という個人じゃ見てない様な気がする。

 じゃ~…どう見てるんだと言われたら、そりゃ答えようがないけど。

 私、宇津木さんじゃないし。

 しかも眠いし。



 そろそろ夜更かしする歳でもないのか……と、考えると憂鬱になるけど。

 まだ20代だし、やりたいこともいっぱいあるし、やってみたいことも……

 と、考えているうちに、いつの間にか本当に熟睡していたみたいで、目が覚めるとフロントガラスの目の前は海だった。











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