シャッターの向こう側。
 何かしらのメッセージがあるのかも知れない……

 でも普通に綺麗だと思ったのよ。

 だいたいいいじゃない。

 メッセージがあるとかないとか。

 メッセージが無い訳が無いし、それを自分らしく感じ取るのがいいわけじゃない。

 ごちゃごちゃ言ったって、根本は変わる訳無いと思うし、それがどんなんでも……


 いや、私は何がいいたいんだ?


「雪ちゃん?」

 冴子さんの言葉に、我に返った。

「つまりは、他人の土俵で働いてないんですよ!」

「ああ……。何を悩んでるのかと思った。まぁ、そういう所はあるわよね」

 うん。

 自分のセンスで行けるところなんかは普通にいいと思うし。

「雪ちゃんもよく見てるわね~。もしかして……」

「人間としてはどうかと思いますが」

 冴子さんが何故か脱力した。


 ……どうかした?


「いや……まぁいいわ。自由時間よ雪ちゃん。思う存分撮りまくりなさいな」

 ヒラヒラと手を振る、その呆れた顔が気になるけど……

 気にしていても始まらないから、カメラを手に辺りを散策。


 その後、用意万端のバーベキューに呼び戻され、


「……お前って、自炊したことある?」

 などと、宇津木さんに言われながらもお肉や野菜を美味しく頂いた。


 まぁ……一切手伝わなかったしね。


 でも、自炊って一人暮らしじゃ面倒なのよ。

 作り過ぎちゃうし。

 それに二人分とかならともかく、一人っキリだと作る気が……



 そんな感じで、いいだけお酒を飲み……坂口さんが少し飲み過ぎな気がしないでもなかったけど。

 バンガローに仲良く寝袋を敷いて、川の字よろしく眠りについた。
< 137 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop