シャッターの向こう側。
そ……捜索隊?
「そんなものがあるんですか?」
『ある訳がないだろうが。おそらく南の森林に迷い込んでいるんだろうが、明かりもないとすると遊歩道でもない訳だろう?』
「遊歩道って、コンクリートですよね?」
『そうだな』
あっさり言うんじゃない!!
ちょっとだけ、悲しくなってきた。
「とにかく、何も見えません」
『じゃ、音は?』
「音?」
『水音は聞こえるか?』
スマホを離して、辺りに耳を澄ませる。
全く何も聞こえない。
「……何も聞こえません」
『じゃ。周りの木の種類は判るか?』
「そんなもの素人に判る訳が……」
言いかけて、木の一つに何かプレートが下がっているのが見えた。
「あ。待って下さい」
近づいて、スマホの光を頼りにプレートを見る。
うわ。
英語だよ……
「C……Cryptomeriaって書いてありますけど」
『ああ。なるほど』
「分かるんですか?」
『お前より学があるらしいな』
一言余計だわ……
『とすると……お前、どっちに向かって歩いてるんだ?』
「え? どっちって……西日がまだ見えましたから、西日を右側にして北に……」
沈黙が落ちた。
……ん?
何か変なこと言った?
『ひとつ言っていいか?』
「はい」
『西日を右側にして、どうしたら北に向かえるんだ?』
はい?
「…………」
あ。
「左側にしなきゃいけないんですよ……ね?」
『アホ』
うう。
言い返せない……
『まぁいい。とにかくそっからそのまま、右を向け』
「右……ですか?」
『最低限、遊歩道に出れる。遊歩道に出れば、ホテルに向かうシャトルバスがあるから』
どれだけ広いんだ……
『神崎。返事は?』
「……はい」
そんなナビの元、やっと見つけたシャトルバスに無事に乗りホテルに帰りついた。
そして………
仁王立ちで待っていた宇津木さんに、丸めた雑誌で思い切り叩かれた。
「そんなものがあるんですか?」
『ある訳がないだろうが。おそらく南の森林に迷い込んでいるんだろうが、明かりもないとすると遊歩道でもない訳だろう?』
「遊歩道って、コンクリートですよね?」
『そうだな』
あっさり言うんじゃない!!
ちょっとだけ、悲しくなってきた。
「とにかく、何も見えません」
『じゃ、音は?』
「音?」
『水音は聞こえるか?』
スマホを離して、辺りに耳を澄ませる。
全く何も聞こえない。
「……何も聞こえません」
『じゃ。周りの木の種類は判るか?』
「そんなもの素人に判る訳が……」
言いかけて、木の一つに何かプレートが下がっているのが見えた。
「あ。待って下さい」
近づいて、スマホの光を頼りにプレートを見る。
うわ。
英語だよ……
「C……Cryptomeriaって書いてありますけど」
『ああ。なるほど』
「分かるんですか?」
『お前より学があるらしいな』
一言余計だわ……
『とすると……お前、どっちに向かって歩いてるんだ?』
「え? どっちって……西日がまだ見えましたから、西日を右側にして北に……」
沈黙が落ちた。
……ん?
何か変なこと言った?
『ひとつ言っていいか?』
「はい」
『西日を右側にして、どうしたら北に向かえるんだ?』
はい?
「…………」
あ。
「左側にしなきゃいけないんですよ……ね?」
『アホ』
うう。
言い返せない……
『まぁいい。とにかくそっからそのまま、右を向け』
「右……ですか?」
『最低限、遊歩道に出れる。遊歩道に出れば、ホテルに向かうシャトルバスがあるから』
どれだけ広いんだ……
『神崎。返事は?』
「……はい」
そんなナビの元、やっと見つけたシャトルバスに無事に乗りホテルに帰りついた。
そして………
仁王立ちで待っていた宇津木さんに、丸めた雑誌で思い切り叩かれた。