シャッターの向こう側。

「うきゃ──!!」

「あー……はいはい。うるさい」

　宇津木さんはひょいと抱え直し、さくっと地面に下ろしてくれた。


　いや、あのぅ……

　あ、あしらわれてる？

　ボンヤリしていたら、宇津木さんは忘れ物チェアを取りに戻り、帰り際にまた私を抱えて車まで戻ろうとする。


「じ、自分で歩けますからっ!!」

「面倒だから、大人しくしてろ」


　出来るか……っ!!


「はーなーせー」

「怪我されたら責任問題になるだろうが」

　そ、そんな事を言われても！

　あろうことか、肩に担がれてるし！

「肩に担ぐな～!!」

「はいはい」

「流さないで～」

「まともに聞いてられるかよ」

「少しくらいは聞けっ!!?」

「はいはい」

「その口調がムカつく～!!」


　そんなやり取りの後……


　やっと車の所で下ろされた。

　……恥ずかしいって言うか、ムカつくって言うか。

　先に車の前に立っていた有野さんと目が合った。


「………ぷっ」

　それから、有野さんはお腹を抱え……

「あはははははは！」

　あの。

　穴があったら入りたいです。