シャッターの向こう側。
昨日あれだけぶっ叩かれれば、二度とあんな事態には陥りたくない。
てか、ホント容赦ないよ、この人。
「一応、遊びに来たんじゃないんだから、先方に迷惑だけはかけるなよ」
「当たり前じゃないですか」
「その当たり前の事ができてないから言ってるんだ」
サラッと言われて、顔をしかめる。
……確かに、言われても仕方ないんだけどさ。
「広すぎですよね。ここ」
「それが〝売り〟なんだろ? まぁ、そんな事はこっちには関係ないが」
そう言いつつ、宇津木さんは立ち上がった。
「シャトルバスなら8時半から出てるから、さっさと食い終わったら行くぞ」
「へ?」
今日もついてくる気か?
「宇津木さんは仕事しないんですか?」
「お前の写真が上がらないと、俺も坂口も決めかねる。それにイメージは大切だ」
イメージですか……
そんな感じで、私たちは朝食を食べ終わると、出かける用意をしてからシャトルバスに乗った。
南側はもともとあった森林をそのままに、遊歩道だけ整備した……と、説明される。
なんていうのかな、昔はここら一帯が原生林に近いものだったそうだ。
「南でも西寄りに杉などの針葉樹が多いらしいな」
宇津木さんはシャトルから降りるなり、そう言って大きな木を見上げる。
「杉って……なんか盆栽を思い出しますよね」
私ものほほんと呟くと、微かに苦笑された。
「こんなデカイ盆栽があってたまるかよ」
「似たようなものじゃないですか。庭が鉢植えだとしたら、そこに生えてる草木なんて、きれいに刈り込んだりしてるんですから」
「その大雑把な考えはどうにかならないものかな」
ちらっと呆れ顔で見られて、肩を竦める。
……すみませんね、大雑把で。
「だいたい……松ならともかく、何でこの杉で盆栽を連想するのかが解らん」
まっすぐに背の高い木を眺め、腕を組んだ。
確かに、この木を見てるとどちらかと言うとクリスマスツリーを思い出しますけどね……
とりあえず、その問いには多分キリがないから答えないことにして、カメラの準備に入る。
フィルムケースから新しいフィルムを出し、お祖父ちゃん譲りの一眼レフにセットし、デジカメの方にも記憶媒体のカードを入れる。
てか、ホント容赦ないよ、この人。
「一応、遊びに来たんじゃないんだから、先方に迷惑だけはかけるなよ」
「当たり前じゃないですか」
「その当たり前の事ができてないから言ってるんだ」
サラッと言われて、顔をしかめる。
……確かに、言われても仕方ないんだけどさ。
「広すぎですよね。ここ」
「それが〝売り〟なんだろ? まぁ、そんな事はこっちには関係ないが」
そう言いつつ、宇津木さんは立ち上がった。
「シャトルバスなら8時半から出てるから、さっさと食い終わったら行くぞ」
「へ?」
今日もついてくる気か?
「宇津木さんは仕事しないんですか?」
「お前の写真が上がらないと、俺も坂口も決めかねる。それにイメージは大切だ」
イメージですか……
そんな感じで、私たちは朝食を食べ終わると、出かける用意をしてからシャトルバスに乗った。
南側はもともとあった森林をそのままに、遊歩道だけ整備した……と、説明される。
なんていうのかな、昔はここら一帯が原生林に近いものだったそうだ。
「南でも西寄りに杉などの針葉樹が多いらしいな」
宇津木さんはシャトルから降りるなり、そう言って大きな木を見上げる。
「杉って……なんか盆栽を思い出しますよね」
私ものほほんと呟くと、微かに苦笑された。
「こんなデカイ盆栽があってたまるかよ」
「似たようなものじゃないですか。庭が鉢植えだとしたら、そこに生えてる草木なんて、きれいに刈り込んだりしてるんですから」
「その大雑把な考えはどうにかならないものかな」
ちらっと呆れ顔で見られて、肩を竦める。
……すみませんね、大雑把で。
「だいたい……松ならともかく、何でこの杉で盆栽を連想するのかが解らん」
まっすぐに背の高い木を眺め、腕を組んだ。
確かに、この木を見てるとどちらかと言うとクリスマスツリーを思い出しますけどね……
とりあえず、その問いには多分キリがないから答えないことにして、カメラの準備に入る。
フィルムケースから新しいフィルムを出し、お祖父ちゃん譲りの一眼レフにセットし、デジカメの方にも記憶媒体のカードを入れる。