シャッターの向こう側。
「じゃ、今日飲みに行こうよ」
……は?
「快気祝い、快気祝い。加倉井と俺と、それから君と……」
「あ、あの。何故、それに参加しなきゃいけないのでしょうか?」
「え? だって君の快気祝いなのに、君がいないのも変だよ~?」
いや。
そもそも何故、有野さんに快気祝いをされなきゃいけないのかが解らない。
たかだか風邪よ?
入院した訳でもあるまいし。
「単に、加倉井さんと飲みたいだけでしょう……」
宇津木さんがポソリと呟くと、有野さんは満面の笑みを浮かべて頷いた。
「よく解ったな」
「たまに有野さんは方法も手段も選びませんから」
「うん。本当によく解ってるな」
……そんな妙な理解を示さなくても。
「神崎さんは坂口でも呼ぶ?」
イキナリお鉢が回ってきて、片手を上げた。
「あ。いえ。いいです」
「……………」
……あ。
「……いや、坂口さんには風邪の事を言ってないし、心配かけても……」
有野さんは眉を上げ、軽く腕を組んで私を眺めると、クリッと宇津木さんを見下ろした。
「じゃ、宇津木に決定」
「はぁ!?」
その素っ頓狂な声と、ビックリした顔に思わず笑ってしまい……
「お前、笑いすぎ」
叩かれそうになって、有野さんに助けてもらった。
そんな感じで、不可思議な組み合わせで飲みに来たんだけど……。
ま~……
「これぞ飲み屋って感じ?」
コの字型のカウンター席。
目の前は厨房……と、言うか、山と盛られた山菜のキンピラがまず目について。
その奥で、捩り鉢巻きに法被のおっちゃんが、注文を直接受けつつ焼鳥やら魚やらあぶっちゃってるよ。
換気がいいのか、あまり煙たくはない。
そして、背後の壁には手書きのお品書きに、棚に並んだ一升瓶。
昭和のニオイがするっ!!
「おー……。なんだか焼酎に焼鳥な気分になりますね~」
「あ。神崎さんはイケる口?」
有野さんはおしぼりで手を拭きながら、ひょいと視線があった。
……は?
「快気祝い、快気祝い。加倉井と俺と、それから君と……」
「あ、あの。何故、それに参加しなきゃいけないのでしょうか?」
「え? だって君の快気祝いなのに、君がいないのも変だよ~?」
いや。
そもそも何故、有野さんに快気祝いをされなきゃいけないのかが解らない。
たかだか風邪よ?
入院した訳でもあるまいし。
「単に、加倉井さんと飲みたいだけでしょう……」
宇津木さんがポソリと呟くと、有野さんは満面の笑みを浮かべて頷いた。
「よく解ったな」
「たまに有野さんは方法も手段も選びませんから」
「うん。本当によく解ってるな」
……そんな妙な理解を示さなくても。
「神崎さんは坂口でも呼ぶ?」
イキナリお鉢が回ってきて、片手を上げた。
「あ。いえ。いいです」
「……………」
……あ。
「……いや、坂口さんには風邪の事を言ってないし、心配かけても……」
有野さんは眉を上げ、軽く腕を組んで私を眺めると、クリッと宇津木さんを見下ろした。
「じゃ、宇津木に決定」
「はぁ!?」
その素っ頓狂な声と、ビックリした顔に思わず笑ってしまい……
「お前、笑いすぎ」
叩かれそうになって、有野さんに助けてもらった。
そんな感じで、不可思議な組み合わせで飲みに来たんだけど……。
ま~……
「これぞ飲み屋って感じ?」
コの字型のカウンター席。
目の前は厨房……と、言うか、山と盛られた山菜のキンピラがまず目について。
その奥で、捩り鉢巻きに法被のおっちゃんが、注文を直接受けつつ焼鳥やら魚やらあぶっちゃってるよ。
換気がいいのか、あまり煙たくはない。
そして、背後の壁には手書きのお品書きに、棚に並んだ一升瓶。
昭和のニオイがするっ!!
「おー……。なんだか焼酎に焼鳥な気分になりますね~」
「あ。神崎さんはイケる口?」
有野さんはおしぼりで手を拭きながら、ひょいと視線があった。