シャッターの向こう側。

落葉……もしくは契約書

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 何となく物悲しい日曜日。

 カメラを片手にブラブラと近所の公園を散策。

 ……これじゃ、宇津木さんの事を言えない。

 日曜日の真昼間に公園を散歩するなんて、若者のすることじゃないかもしれない。


 まぁ、いいか。


 コンクリートの上に散り積もる茶色。

 乾燥した埃っぽい空気。

 少し視線を上げると、微かに赤くなる小さな実が見えた。

 間違いなく秋だ。

 カサカサと踏み締めて、音がなる枯れ葉にちょっとだけ苦笑する。


 時間が経つのは早いなぁ。


「…………」

 何だか変な感じ。

 今年の夏までは、仕事が嫌で嫌で仕方がなかった。

 昔から、お祖父ちゃんみたいな写真家になるのが夢で、それをただひたすら追っていた。

 ただ、好きな事が嫌いになりかけていたのも事実だった。

 学生の頃は自分の好き勝手が出来た。

 趣味の粋に留めて置けば、やっぱり自由に出来た。

 それが出来ないのが〝仕事〟だった。


 色んな人がいて、色んな指定があって、色んな要求が来る。

 時間の制限も、モチロン。

 毎日が違うモノで、毎日に追われていて……


 時間は……今も変わり無く動いていくけど。

 以前よりも自由なのは確か。

 
 宇津木さんのおかげなのかもしれない。

 立ち止まると、視界の隅に木製のベンチが見えた。


 一休みしちゃおうか。


 今、何を撮りたいとか、考えてないし。

 座って前を見ると、向こうの広場で落ち葉を山にしている子供達が見えた。
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