シャッターの向こう側。
「見ていると、ただ撮っているだけの様に見える」
宇津木さんはそう言って、ヒラヒラと一枚の写真を引き抜いた。
「例えばコレ」
見ると、椰子の木の写真だ。
「構図は悪くない。普通一般的な広告ならば、これでも悪くない」
そう言って、戻す。
「言うならば……そうだな。ありきたり、どこにでもある、誰にでも撮れる。つまりは人のマネか?」
最後の言葉がグサリと突き刺さる。
……誰にでも。
つまり、私じゃなくても……
「最初に言ったよな? お前がいいと思うものを撮って来いって」
……確かに聞いた。
「あれだけこだわっただけあって、ジェットコースターでの写真はいい出来だが、植物園は全滅だぞ?」
深い溜め息をつかれて、テーブルを見つめた。
とてもじゃないけど、宇津木さんなんて見れない。
「いいか、神崎」
「……はい」
「お前らしいもの撮って来い」
……私らしいもの?
「今まで、どんな馬鹿と組んで来たか知らんが、忘れろ。写真のプロを目指してるなら、それに相応しい仕事をしろ」
……プロを目指すなら。
ゆっくりと顔を上げると、宇津木さんと目があった。
思わずドキリとする。
いつもの皮肉げな笑みでもなく、苦笑でもなくて……
何だか暖かささえ感じる様な、そんな視線で……
「おじいちゃん!!」
「誰がじいさんだドアホ!!」
思いきり叩かれたのは、まぁ、ある意味仕方ないかもしれない。
宇津木さんはそう言って、ヒラヒラと一枚の写真を引き抜いた。
「例えばコレ」
見ると、椰子の木の写真だ。
「構図は悪くない。普通一般的な広告ならば、これでも悪くない」
そう言って、戻す。
「言うならば……そうだな。ありきたり、どこにでもある、誰にでも撮れる。つまりは人のマネか?」
最後の言葉がグサリと突き刺さる。
……誰にでも。
つまり、私じゃなくても……
「最初に言ったよな? お前がいいと思うものを撮って来いって」
……確かに聞いた。
「あれだけこだわっただけあって、ジェットコースターでの写真はいい出来だが、植物園は全滅だぞ?」
深い溜め息をつかれて、テーブルを見つめた。
とてもじゃないけど、宇津木さんなんて見れない。
「いいか、神崎」
「……はい」
「お前らしいもの撮って来い」
……私らしいもの?
「今まで、どんな馬鹿と組んで来たか知らんが、忘れろ。写真のプロを目指してるなら、それに相応しい仕事をしろ」
……プロを目指すなら。
ゆっくりと顔を上げると、宇津木さんと目があった。
思わずドキリとする。
いつもの皮肉げな笑みでもなく、苦笑でもなくて……
何だか暖かささえ感じる様な、そんな視線で……
「おじいちゃん!!」
「誰がじいさんだドアホ!!」
思いきり叩かれたのは、まぁ、ある意味仕方ないかもしれない。