シャッターの向こう側。
バス停までの雪道を、お互いに無言で歩く。
今日は風が緩い。
道路脇にこれでもかと積み上げられた雪山から、その風に乗ってサラサラと雪が流れ落ちて来て……
宇津木さんが直撃されてる。
「ぶは……っ」
「………ぷっ」
思わずウケた。
「今……笑ったか?」
え?
「誰がですか?」
と、まわりを見ると、むっとした顔が返ってきた。
「雪は慣れてないんだ」
「でしょうねぇ。少し俯いて歩くといいですよ」
「……俯いてたら前が見えん」
「誰がそこまで俯けと言いましたか」
「お前?」
「少しって言ったでしょうが、少しって」
宇津木さんはブツブツ言いながら、また歩きだした。
「それにしても……お前は元気そうだな」
「それはもう。元気ですよ」
「また音信不通にしてただろ」
「してませんよ」
「そうか? 結局、会社のパーティーに来なかったじゃないか」
「…………」
行きましたよ。
「……ナチズムでしたね」
呟いたら、目の前の宇津木さんが視界から消え……
「わきゃぁ!」
「うわ……っ」
何か柔らかいものを押し潰した。
……って、暖かい?
「早くどけっ! 苦しい!」
は……はい!?
顔を上げると至近距離に宇津木さんの顔があって……
「……ふひっ」
我ながら訳の解らない声が出た。
お互いにそのまま固まって……
あ~……
睫毛、結構長いなぁ……
「お前ね。そんな至近距離で男を眺めるもんじゃないと思うぞ?」
何を言って……
「と言うか、勘違いされるぞ?」
「……え?」
って、何を?
と、問う間もなく、振り落とされる。
「冷たいっ!!」
「俺だって冷たかったし、しかも重くて痛かった」
重いは余計だ!!
「とにかく、パーティー来てたのか?」
「……一応」
「なら声くらいかけろよな。後半はブラブラしてたんだから」
今日は風が緩い。
道路脇にこれでもかと積み上げられた雪山から、その風に乗ってサラサラと雪が流れ落ちて来て……
宇津木さんが直撃されてる。
「ぶは……っ」
「………ぷっ」
思わずウケた。
「今……笑ったか?」
え?
「誰がですか?」
と、まわりを見ると、むっとした顔が返ってきた。
「雪は慣れてないんだ」
「でしょうねぇ。少し俯いて歩くといいですよ」
「……俯いてたら前が見えん」
「誰がそこまで俯けと言いましたか」
「お前?」
「少しって言ったでしょうが、少しって」
宇津木さんはブツブツ言いながら、また歩きだした。
「それにしても……お前は元気そうだな」
「それはもう。元気ですよ」
「また音信不通にしてただろ」
「してませんよ」
「そうか? 結局、会社のパーティーに来なかったじゃないか」
「…………」
行きましたよ。
「……ナチズムでしたね」
呟いたら、目の前の宇津木さんが視界から消え……
「わきゃぁ!」
「うわ……っ」
何か柔らかいものを押し潰した。
……って、暖かい?
「早くどけっ! 苦しい!」
は……はい!?
顔を上げると至近距離に宇津木さんの顔があって……
「……ふひっ」
我ながら訳の解らない声が出た。
お互いにそのまま固まって……
あ~……
睫毛、結構長いなぁ……
「お前ね。そんな至近距離で男を眺めるもんじゃないと思うぞ?」
何を言って……
「と言うか、勘違いされるぞ?」
「……え?」
って、何を?
と、問う間もなく、振り落とされる。
「冷たいっ!!」
「俺だって冷たかったし、しかも重くて痛かった」
重いは余計だ!!
「とにかく、パーティー来てたのか?」
「……一応」
「なら声くらいかけろよな。後半はブラブラしてたんだから」