シャッターの向こう側。
どこからそんな論理が出て来たの!?
どこからそんな推測が成り立つの!?
何も言ってないし、ここで会って数分も経ってないよ!?
でも有野さんは腕を組みながら、何故か得意そうに笑った。
「僕ね、宇津木の先輩なの」
「は、はぁ……」
知ってますが。
「あの解りにくい男を、見てた人間でもあるの」
「はぁ……」
何が言いたいんでしょうか?
「アレに比べると君はわかりやすい」
わ……
そりゃ解りやすいでしょうよ!
だからって、なんで色々聞かれなきゃ……もとい、言われなきゃいけないの!
「有野さんは関係ないと思います!」
「うん。関係は……そうだな、未来の奥さんの友人だからってとこで手を打たないかな?」
「打ちません!」
「仕方ないな。じゃ、君のおかげで奥さんになる了承得たから、その御礼にって事でどうかな?」
「訳わかんな……」
ん?
「私のおかげ?」
「そう。加倉井はやっぱり俺の事を軽い人間だと思ってたみたいだし」
「うーん……」
有野さんて、よく解んないけど……
「スルメみたいな人ですよね」
「……何それ」
「噛めば噛むほど味があるって言うか?」
「一応、褒め言葉として受け取っておこうかな?」
苦笑されたので、同じく苦笑で返す。
「……別に良いですよ」
「ん?」
「私、どうこうしよう……なんて思いませんし」
有野さんは眉を上げて、黙って私を見下ろした。
「だいたい彼女さんいる人って、何かと面倒だし」
「え? あいつに彼女いたの?」
いますよ。
すこぶる綺麗なお姉様が。
ふっと目をそらすと、階段の照明がチカッと瞬いた。
それに……
「私は〝弟みたい〟なもんなんですって」
「……え?」
ビックリしたような、有野さんの声。
「本人が、そう言ってましたし」
肩を竦めて有野さんを見上げると、何とも言えない顔で難しい顔をしてる。
どこからそんな推測が成り立つの!?
何も言ってないし、ここで会って数分も経ってないよ!?
でも有野さんは腕を組みながら、何故か得意そうに笑った。
「僕ね、宇津木の先輩なの」
「は、はぁ……」
知ってますが。
「あの解りにくい男を、見てた人間でもあるの」
「はぁ……」
何が言いたいんでしょうか?
「アレに比べると君はわかりやすい」
わ……
そりゃ解りやすいでしょうよ!
だからって、なんで色々聞かれなきゃ……もとい、言われなきゃいけないの!
「有野さんは関係ないと思います!」
「うん。関係は……そうだな、未来の奥さんの友人だからってとこで手を打たないかな?」
「打ちません!」
「仕方ないな。じゃ、君のおかげで奥さんになる了承得たから、その御礼にって事でどうかな?」
「訳わかんな……」
ん?
「私のおかげ?」
「そう。加倉井はやっぱり俺の事を軽い人間だと思ってたみたいだし」
「うーん……」
有野さんて、よく解んないけど……
「スルメみたいな人ですよね」
「……何それ」
「噛めば噛むほど味があるって言うか?」
「一応、褒め言葉として受け取っておこうかな?」
苦笑されたので、同じく苦笑で返す。
「……別に良いですよ」
「ん?」
「私、どうこうしよう……なんて思いませんし」
有野さんは眉を上げて、黙って私を見下ろした。
「だいたい彼女さんいる人って、何かと面倒だし」
「え? あいつに彼女いたの?」
いますよ。
すこぶる綺麗なお姉様が。
ふっと目をそらすと、階段の照明がチカッと瞬いた。
それに……
「私は〝弟みたい〟なもんなんですって」
「……え?」
ビックリしたような、有野さんの声。
「本人が、そう言ってましたし」
肩を竦めて有野さんを見上げると、何とも言えない顔で難しい顔をしてる。