シャッターの向こう側。
「それでいいの?」
「はい」
「宇津木がプロになる邪魔になるとは、俺は思えないけど」
解らない。
解らないけど……
どうしていいかすら、私には解らない。
「神崎さん」
静かな声に、顔を上げる。
「簡単に諦めるな。宇津木は俺が保証するから。不器用なとこはあるけど、根はイイヤツなんだから」
そんなの知ってます。
知ってるけど……
知ってるからって、どうにかなるとも……どうにかしたいとも思えない。
だって、冴子さんがいるもの。
私、冴子さんから宇津木さんを奪おうとか、宇津木さんに振り向いて貰おうとか……
そんなの考えたくないもの。
人を好きになるって、難しい。
普通、恋愛って幸せな事だと思う。
幸せになるのは悪い事じゃない。
悪い事じゃないけど……
何か一つ、ちょっとしたズレがあると誰かが悲しむ事になる。
誰かが傷つくのが怖い。
どこかで誰かが泣くのは怖い。
上手くいかなくて、ぐちゃぐちゃになるのも怖い。
苦しいもの。
悲しいもの。
それを知ってるもの……
楽しいだけが恋じゃない。
そんな事は判ってる。
だけど、誰かを犠牲にしてまでどうにかしたいなんて思わない。
「…………」
結局、私はただの偽善者なのかも知れない。
……そうなのかも知れない。
でも、誰かが泣くなら、自分が泣く方がいいと思う。
自分で勝手に理由を付けてるだけかも知れない。
だけど、そんな風にしか考えられない。
「神崎さん」
「……はい?」
「君は君らしくして?」
優しく言われて、微かに苦笑した。
私らしいって……
「私は私以外にはなれないです」
これが私なんだろう。
誰かを傷つけたくないのも本当。
裏を返せば、傷つけた事で傷つきたくないのも……
私はどこまでも狡い……
「はい」
「宇津木がプロになる邪魔になるとは、俺は思えないけど」
解らない。
解らないけど……
どうしていいかすら、私には解らない。
「神崎さん」
静かな声に、顔を上げる。
「簡単に諦めるな。宇津木は俺が保証するから。不器用なとこはあるけど、根はイイヤツなんだから」
そんなの知ってます。
知ってるけど……
知ってるからって、どうにかなるとも……どうにかしたいとも思えない。
だって、冴子さんがいるもの。
私、冴子さんから宇津木さんを奪おうとか、宇津木さんに振り向いて貰おうとか……
そんなの考えたくないもの。
人を好きになるって、難しい。
普通、恋愛って幸せな事だと思う。
幸せになるのは悪い事じゃない。
悪い事じゃないけど……
何か一つ、ちょっとしたズレがあると誰かが悲しむ事になる。
誰かが傷つくのが怖い。
どこかで誰かが泣くのは怖い。
上手くいかなくて、ぐちゃぐちゃになるのも怖い。
苦しいもの。
悲しいもの。
それを知ってるもの……
楽しいだけが恋じゃない。
そんな事は判ってる。
だけど、誰かを犠牲にしてまでどうにかしたいなんて思わない。
「…………」
結局、私はただの偽善者なのかも知れない。
……そうなのかも知れない。
でも、誰かが泣くなら、自分が泣く方がいいと思う。
自分で勝手に理由を付けてるだけかも知れない。
だけど、そんな風にしか考えられない。
「神崎さん」
「……はい?」
「君は君らしくして?」
優しく言われて、微かに苦笑した。
私らしいって……
「私は私以外にはなれないです」
これが私なんだろう。
誰かを傷つけたくないのも本当。
裏を返せば、傷つけた事で傷つきたくないのも……
私はどこまでも狡い……