シャッターの向こう側。
黙々と食べている宇津木さんを見て。
「…………」
ちょっとばかり、申し訳なくなった。
……なんて言うか、
無理矢理、食べて欲しいって訳じゃなかったんだけど。
ただ、不思議だなぁ……って。
少し思っただけなんだけれど……ね?
「……雪」
「ん?」
「……悪い」
「は?」
突然、立ち上がった宇津木さんを見上げる。
……て、顔色悪い。
「トイレ借りる」
「はぁ!?」
走るようにトイレに向かう宇津木さんを、慌てて追い掛けた。
「ちょ…っ」
「見逃せ」
いや、見逃すも何も。
閉められたトイレの向こうで、具合の悪そうな声。
何か気持ち悪いものでも入っていた!?
え。私は平気なんだけれど?
え。もしかして、私は味オンチ?
実は知らなかった?
何事!?
「宇津木さぁん!?」
そして、トイレに立て篭もる事30分。
実に憔悴しきった、具合の悪そうな宇津木さんがよろよろと出て来た。
「……あの」
「何でもない」
「でも……」
「いいから」
手を振る宇津木さんを、覗き込む。
「何ヶ月なの?」
「は……?」
「だって、そうなんでしょう?」
「何がだ」
「だって、ツワリなんでしょう?」
「誰がだ!」
「いひゃいっ!」
思いきり頬っぺた抓られてジタバタすると、それはそれは冷たい目で見下ろされた。
「誰がツワリだ! だいたいお前なら解るが、なんで男の俺がツワリなんだよ!」
「私だってツワリじゃないよ! だいたい、ちゃんとつけてるじゃんか!」
「朝からなんてコト言ってるんだお前は!」
「言わせたの宇津木さんだもん!」
「お前が先だろうが!」
「違うもん!」
何だか不毛だ。
そう気付いて、お互いに溜め息をつく。
「とりあえず、お茶淹れます」
「……ああ」
「…………」
ちょっとばかり、申し訳なくなった。
……なんて言うか、
無理矢理、食べて欲しいって訳じゃなかったんだけど。
ただ、不思議だなぁ……って。
少し思っただけなんだけれど……ね?
「……雪」
「ん?」
「……悪い」
「は?」
突然、立ち上がった宇津木さんを見上げる。
……て、顔色悪い。
「トイレ借りる」
「はぁ!?」
走るようにトイレに向かう宇津木さんを、慌てて追い掛けた。
「ちょ…っ」
「見逃せ」
いや、見逃すも何も。
閉められたトイレの向こうで、具合の悪そうな声。
何か気持ち悪いものでも入っていた!?
え。私は平気なんだけれど?
え。もしかして、私は味オンチ?
実は知らなかった?
何事!?
「宇津木さぁん!?」
そして、トイレに立て篭もる事30分。
実に憔悴しきった、具合の悪そうな宇津木さんがよろよろと出て来た。
「……あの」
「何でもない」
「でも……」
「いいから」
手を振る宇津木さんを、覗き込む。
「何ヶ月なの?」
「は……?」
「だって、そうなんでしょう?」
「何がだ」
「だって、ツワリなんでしょう?」
「誰がだ!」
「いひゃいっ!」
思いきり頬っぺた抓られてジタバタすると、それはそれは冷たい目で見下ろされた。
「誰がツワリだ! だいたいお前なら解るが、なんで男の俺がツワリなんだよ!」
「私だってツワリじゃないよ! だいたい、ちゃんとつけてるじゃんか!」
「朝からなんてコト言ってるんだお前は!」
「言わせたの宇津木さんだもん!」
「お前が先だろうが!」
「違うもん!」
何だか不毛だ。
そう気付いて、お互いに溜め息をつく。
「とりあえず、お茶淹れます」
「……ああ」