シャッターの向こう側。
******
「神崎ちゃん。コレ頼まれてくれない?」
にこやかな有野さん。
差し出された封筒と、有野さんの顔を交互に見る。
いつもなら、他の部の仕事でも宇津木さんが持ってくるんだけど。
「宇津木、休んだだろう?」
「風邪らしいです」
「うん。だから、コレを宇津木に届けて?」
ああ! なるほど!
「仕事の依頼かと思いましたよ」
「それならどんなに期日が近くても、宇津木が出社してから渡すよ。後が面倒だからね」
「……へぇ」
それはどんな後だろうか。
有野さんて、いまいち掴めないよね~?
「んじゃ、預かります」
「はいはい。寄り道しないでね?」
「はい」
封筒を預かって、部署を後にした。
でもラッキーかも。
仕事だバイトだ……と、最近バタバタしてて、宇津木さんの顔を見てないんだよね。
昨日電話した時に風邪ひいたって聞いて、お見舞いに行くって言ったら……
『うるさいから来るな』
…………。
うるさいって何!?
仮にも彼女に対して〝うるさい〟って!
だいたい風邪引いたって言われたら、心配するのが当たり前でしょうが!
彼氏が……って言うか、人として当たり前だと思うんだけど!
それをあの男は…っ!
「神崎ちゃん……そんな所で何握りこぶし握ってるの?」
顔を上げると、加納先輩。
爽やかなブルーのブラウスに、スリット入りのタイトスカート。
垣間見える太ももは……
柔らかそう。
「いつみてもそそりますね」
「何を変態オヤジみたいな事を言ってるのよ」
「そんなぁ~。エヘエヘ言ってないじゃないですか」
「……貴女の変態のイメージが解りやすいけど、どうしたの? 宇津木君はいないわよ?」
「知ってます。有野さんの仕事を受けてたので、渡しに来てただけです」
「ああ……なら暇?」
「いえ。この封筒を宇津木さんに持って行くのを頼まれてまして……」
先輩はふっと私の手元を見て、それからニンマリと笑う。
「そう。その方がいいわね。ちゃんと看病するのよ?」
そう言いながら、加納先輩は去って行った。
「神崎ちゃん。コレ頼まれてくれない?」
にこやかな有野さん。
差し出された封筒と、有野さんの顔を交互に見る。
いつもなら、他の部の仕事でも宇津木さんが持ってくるんだけど。
「宇津木、休んだだろう?」
「風邪らしいです」
「うん。だから、コレを宇津木に届けて?」
ああ! なるほど!
「仕事の依頼かと思いましたよ」
「それならどんなに期日が近くても、宇津木が出社してから渡すよ。後が面倒だからね」
「……へぇ」
それはどんな後だろうか。
有野さんて、いまいち掴めないよね~?
「んじゃ、預かります」
「はいはい。寄り道しないでね?」
「はい」
封筒を預かって、部署を後にした。
でもラッキーかも。
仕事だバイトだ……と、最近バタバタしてて、宇津木さんの顔を見てないんだよね。
昨日電話した時に風邪ひいたって聞いて、お見舞いに行くって言ったら……
『うるさいから来るな』
…………。
うるさいって何!?
仮にも彼女に対して〝うるさい〟って!
だいたい風邪引いたって言われたら、心配するのが当たり前でしょうが!
彼氏が……って言うか、人として当たり前だと思うんだけど!
それをあの男は…っ!
「神崎ちゃん……そんな所で何握りこぶし握ってるの?」
顔を上げると、加納先輩。
爽やかなブルーのブラウスに、スリット入りのタイトスカート。
垣間見える太ももは……
柔らかそう。
「いつみてもそそりますね」
「何を変態オヤジみたいな事を言ってるのよ」
「そんなぁ~。エヘエヘ言ってないじゃないですか」
「……貴女の変態のイメージが解りやすいけど、どうしたの? 宇津木君はいないわよ?」
「知ってます。有野さんの仕事を受けてたので、渡しに来てただけです」
「ああ……なら暇?」
「いえ。この封筒を宇津木さんに持って行くのを頼まれてまして……」
先輩はふっと私の手元を見て、それからニンマリと笑う。
「そう。その方がいいわね。ちゃんと看病するのよ?」
そう言いながら、加納先輩は去って行った。