シャッターの向こう側。
***
後日。
元気に出社した宇津木さんに、有野さんが声をかけたらしい。
「回復したか?」
「まぁ」
「神崎さんの看病って効くんだな。で、彼女に頼みたい仕事があるんだけど」
「しばらく無理です。うちで寝てますから」
宇津木さんは、それはそれは澄ました顔で言ったと言う。
これはもちろん佐和子の話。
私はその頃、40度近い熱で宇津木さんのベットで寝込んでいたから──…
2010.5/15
後日。
元気に出社した宇津木さんに、有野さんが声をかけたらしい。
「回復したか?」
「まぁ」
「神崎さんの看病って効くんだな。で、彼女に頼みたい仕事があるんだけど」
「しばらく無理です。うちで寝てますから」
宇津木さんは、それはそれは澄ました顔で言ったと言う。
これはもちろん佐和子の話。
私はその頃、40度近い熱で宇津木さんのベットで寝込んでいたから──…
2010.5/15