シャッターの向こう側。
そんな感じで高橋さんの写真館に入り浸り、出来上がった写真を抱えて教えてもらった近所の薬局に入る。
……風邪薬でいいよね。
と、適当にいつも飲んでいる風邪薬と、滋養強壮・肉体疲労時にはコレ!!
栄養ドリンクを選んでレジに持って行く。
「あれ? 神崎ちゃん?」
声をかけられて振り向くと、坂口さんが傘を片手に何やら大きな瓶を抱えていた。
「坂口さん? 何故ここに?」
「いやぁ。ホテルの薬局を探してみたんだけどさ、コレがなくて」
と、リンゴ酢と書かれた一升瓶を見せてくれた。
「……そんなもの飲んでいるんですか?」
面白い人だなぁ……
「そう。これがないと、一日が始まらなくてね。いつもペットボトルに入れて来るんだけど、今回忘れてきちゃって」
「ダイエットでもしてるんですか?」
私の問いに、坂口さんはきょとんとした。
「ああ。ええと……よく言われてるダイエット法?」
「よく雑誌とかにも載せますよね? 私、一度メーカーの広告写真撮ったことがあるんです」
「あはは。まぁ、そういう作用もあるよね。でもリンゴ酢は血流がよくなったり、疲労物質や脂肪の分解が促進されたり、腸内の善玉菌は生かして、悪玉菌は殺すって言われてるんだ」
ビフィズス菌を助けて、大腸菌をやっつける、真っ赤な果実頭のア○パ○マン風のリンゴを思い浮かべた。
それはそれで不気味。
「……って、詳しいですね」
「うん。こういう仕事をしてるとどうしても不規則な生活になりがちだから、少しでも健康に気を使わないと……神崎ちゃん、お会計」
言われて、レジの人を振り返る。
どうも、のんびり話が終わるのを待っていてくれたらしい。
慌てて支払いを済ませ、袋に詰めてもらうと、すみませんと愛想笑いをして少し離れる。
「神崎ちゃんは、今戻るところ?」
リンゴ酢を買った坂口さんが、隣に立って首を傾げる。
「はい。写真も出来上がったんで、これから……」
「じゃ、車で来たから一緒に帰ろう」
硝子戸を開けてくれて、あまつさえ傘を差してくれながら、坂口さんは微笑んだ。
……なんていい人なんだ。
でも?
「車でここまでいらしたんですか?」
「え?」
……風邪薬でいいよね。
と、適当にいつも飲んでいる風邪薬と、滋養強壮・肉体疲労時にはコレ!!
栄養ドリンクを選んでレジに持って行く。
「あれ? 神崎ちゃん?」
声をかけられて振り向くと、坂口さんが傘を片手に何やら大きな瓶を抱えていた。
「坂口さん? 何故ここに?」
「いやぁ。ホテルの薬局を探してみたんだけどさ、コレがなくて」
と、リンゴ酢と書かれた一升瓶を見せてくれた。
「……そんなもの飲んでいるんですか?」
面白い人だなぁ……
「そう。これがないと、一日が始まらなくてね。いつもペットボトルに入れて来るんだけど、今回忘れてきちゃって」
「ダイエットでもしてるんですか?」
私の問いに、坂口さんはきょとんとした。
「ああ。ええと……よく言われてるダイエット法?」
「よく雑誌とかにも載せますよね? 私、一度メーカーの広告写真撮ったことがあるんです」
「あはは。まぁ、そういう作用もあるよね。でもリンゴ酢は血流がよくなったり、疲労物質や脂肪の分解が促進されたり、腸内の善玉菌は生かして、悪玉菌は殺すって言われてるんだ」
ビフィズス菌を助けて、大腸菌をやっつける、真っ赤な果実頭のア○パ○マン風のリンゴを思い浮かべた。
それはそれで不気味。
「……って、詳しいですね」
「うん。こういう仕事をしてるとどうしても不規則な生活になりがちだから、少しでも健康に気を使わないと……神崎ちゃん、お会計」
言われて、レジの人を振り返る。
どうも、のんびり話が終わるのを待っていてくれたらしい。
慌てて支払いを済ませ、袋に詰めてもらうと、すみませんと愛想笑いをして少し離れる。
「神崎ちゃんは、今戻るところ?」
リンゴ酢を買った坂口さんが、隣に立って首を傾げる。
「はい。写真も出来上がったんで、これから……」
「じゃ、車で来たから一緒に帰ろう」
硝子戸を開けてくれて、あまつさえ傘を差してくれながら、坂口さんは微笑んだ。
……なんていい人なんだ。
でも?
「車でここまでいらしたんですか?」
「え?」